柔術において何かと議論の対象となる帯の昇格基準について。私がこれまでの25年間、柔術界を見てきて分かったのは、
「◯◯さんは技を何も知らないのに強いから帯をもらえた。」
「◯◯さんは弱いのに技だけは知ってるから帯をもらえた。」
と主張し合う2つのグループがあるということです。
この戦いがジェダイとシスばりに永遠に続いていると感じます。
「強いけどテクニックがない」と「テクニックを知ってるけど弱い」
この2つの概念、いえ教義は、お互いの存在を問題視しています。
他競技の出身者で、もともと強くて試合で勝ちまくって帯昇格した者にも、容赦なく類似の批判が向けられます。
「◯◯さんは柔道の技で勝っただけ、なんで帯が上がるの?」と。
確かに一理あります。そう考える人達がいるのも無理はないです。
私はその長きに渡る戦いに終止符を打つために、強く、かつ柔術のテクニックを備えた者にのみ帯を授与する制度を考えました。
テクニック検定はそのソリューションの一つです。もちろん、強さの評価を完全に客観的に行える制度は、いまだ導入できているわけではありません。非常に難しいです。
ただしトライフォースの場合、長い歴史により全年齢、全帯に必要十分な会員数が存在するので、会員同士の実力の比較による相対的評価が高い精度で行えるようになりました(トライフォースの帯なので、他流派との比較はこの際考えないものとします)。
また「◯◯さんは全然クラスに参加していないのに試合の実績だけで帯をもらえた」と主張するグループもあります。
一方で「◯◯さんは確かにクラスにはまじめに出ていない。しかし実力もテクニックも申し分ない。何か問題ある?」というグループもあります。
これは流派ごとの「道場論、道場観」にも関わってくる話なので、一概に肯定も否定もできませんが、私は前者の主張に一理あると考えます。
そこで導入したのが出席日数をカウントする制度です。
まとめますと、平素のクラスへの参加を疎かにせず、柔術のテクニックをしっかりと身に付け、会員同士の実力の比較により相対的に強い者であること。これが現在の私の帯授与における判断基準になっています。