TFC vol. 10後の合同スパーリングでは、宇野薫選手と実に20年以上ぶり(?)に手合わせしました。
ほぼ同期ではあるのですが、MMAと柔術という別々のフィールドで活動していましたので、同じ誌面に載ることは良くあっても、練習会や競技の場で絡むことは滅多にありませんでした。
そして、いにしえの奥義である”背中げんこつ”を喰らい、感動のあまり思わずスパー中に宇野さんと会話してしまいました。とにかく嫌~な技なんです(笑)。
かつて様々な練習会において彗舟會(けいしゅうかい)系の方とスパーリングをすると必ずやられました。宇野さんに掛けられるまでこの技(コツ?)の存在そのものをすっかり忘れていたので感動しました。
あとでお聞きすると、ああいった細かいテクニックや、ちょっとした嫌がらせのコツなどは、故・守山先生からたくさん教えて頂きました、と仰られていました。
感慨深いお話ですね。口伝や直伝が誰かによってなされなければ、もはや伝承されることがない小さなコツや技は本当にたくさんあると思います。
私は、なぜ過去にああ教えていたことを今はこう教えるに至ったかとか、気持ちや考えの変遷まで芝本には細かく話すようにいつも心掛けています。
私がある日いなくなった時、私のすべてを知っている人間はおそらく芝本だけになるでしょう。