ロンドン遠征記その2~アブダビキングオブマット~

By 2019/03/20池袋

その1はこちら

アブダビグランドスラムロンドンの翌日はアブダビキングオブマットです。
「グランドスラムとキングオブマット、何が違うの!?」という方もいると思うので簡単に説明すると、グランドスラムはオープンエントリーで誰でも申し込めば出られるのに対し、キングオブマットはUAEJJから招待されないと出られないイベントです。
私はアブダビグランドスラム東京で優勝したのが評価され、招待していただきました。

さて、このキングオブマットはかなり厳しい戦いになることを予想していました。
なぜなら体重が-69kg以下だからです。しかも計量は前々日の金曜日ですので、試合当日の日曜日は実質ライト級くらいの重さの選手もいるでしょう。
私はライトフェザー級でしたら階級を上げて出ることは何回もありましたが、フェザー級以上はもちろんオープンクラスにも出たことがありません。
試合をする前に久しぶりに純粋な「恐怖」を感じました。

キングオブマットは参加者10人をまず5人ずつのグループに分け、上位2名ずつで決勝トーナメントを行います。
私はブラジル人選手3名・オーストラリア人選手1名と同じグループに振り分けられました。

初戦はブラジルの選手と。
ブラジル国内ではフェザー級で数多く入賞している選手、2017年には茶帯で世界王者の実績もあるようです。
結果は1度バスを許し3-0で敗退。

2試合目は前日のアブダビグランドスラムの-62kgで優勝している選手との試合。
躍動感のある動きが持ち味の選手で、ガードをしっかりと作る前にパスを重ねられ13-0で敗退しました。
ポジションを取ってからも動きは止まらずサブミッションを狙われ続けましたが、意地で守り切りました。

3試合目はオーストラリアの選手と。アブダビグランドスラム東京で-69kgで優勝している選手です。
パスの圧力を止めることが精いっぱいで、攻撃に移ることができず0-0のレフェリー判定負けでした。
後から振り返るとキングオブマットで唯一勝機のある試合で、一番悔しい敗北となりました。

4試合目はまたブラジルの選手。
IBJJFの世界選手権でもライトフェザー級の表彰台常連の実力者です。
日本人でも対戦したことある人も多く、みなさん「圧が凄い」と口をそろえて言います。
ですが、いざマットの上で対峙すると体のサイズも大きくなく「あれ?思ったよりも小さいぞ。これは止められるのでは?」と思いました。
試合が始まります。ダブルガードから相手が起き上がり、スタッキングパスから私の帯を持った瞬間でした。急に相手の力が爆発します。
その瞬間のつり上げのパワーはすさまじいものでした。横に回った相手を止めようと手を伸ばして相手の侵入を止めようとしたところ、その腕をストレートアームロックで取られてしまいました。
時間にするとわずか25秒。。。

こうしてアブダビキングオブマットは4戦全敗のグループリーグ敗退という結果に終わりました。
2日連続で試合し、また2日目は短いインターバルで4試合もするというのはなかなかない経験です。
集中力を保ち続けるのに私はとても苦労しました。
決勝リーグに行った選手はみな最後まで高い集中力を保ち繊細な攻防をし続けていたのが印象的でした。

こうして2日に渡るアブダビグランドスラムとアブダビキングオブマットは終了!
恐れていたケガもなく、5日後のプロ柔術ポラリスに気持ちを切り替えます。

その3へ続く

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