よく「相手の何手先を読む」と言いますが、 柔術においてリアルに読めるのは何手くらい先なのでしょうか。
50手先?100手先?私は何となく3手くらい先が限界かと思っています。
簡単な例では、相手の予備動作からどのパスガードを仕掛けて来るのか予測する、そしてカウンターのスイープAを仕掛ける。
これが1手先を読むということです。
スイープAを仕掛ければ、相手は床に手を着いて耐える可能性がある、その時はその着いた手にサブミッションを掛ける準備をしておこう。
これが2手先まで読むということです。
そのサブミッションを防ぐにはあの方法しかない、しかしあの方法で防御するとスイープBに対して無防備になるので、スイープBを掛ける準備もしておこう。
これでやっと3手先を読むことになります。
で、4手目より先を読むことは、1手目を読む時点では不可能ではないにしろ不毛といえます。起こりうる局面が分岐しすぎるからです。
なので実際には2手目の局面に入りかけたあたりで、改めてそこから3手分まで先を読む、といった感じで、終わりと始まりがかぶりつつ、先読みをしていく作業をしているように私自身は思えます。
つまり技術の袋小路に陥らず、どういった局面からもその3手先くらいまで読める人が、あたかも何十手先まで相手の動きを読んでコントロールし続けているように見えたり、感じたりするのだと思います。
これはあくまでも目まぐるしく動き合う刹那に生じる読み合いの話です。
10分間なら10分間の、試合時間全体を通しての戦術的な読み合いは、また別の話になります。