海外に出ると、早川先生はブラジルの修行先としてなぜアリアンシを選んだのですか?と良く聞かれる。日本ではあまり聞かれない。もう随分昔の話だからだろう。今回はそんな話に少し触れてみたい。
私が最初にブラジルへ行った2000年の頃は、あまり詳しい柔術の世界観は分かってなかった。アカデミーの勢力図なども頭には入ってなかった。パイヴァ先生のことも知らなかった。
分かっていることと言えば、グレイシー系とそれ以外のアカデミーがあることと、リオが柔術のメッカでサンパウロがそれに次ぐ地位にあることくらいだった。
アリアンシについても、知っていることは、白帯の頃から教則ビデオでよく見ていたファビオ・グージェウ先生がサンパウロ支部長で、和道さんが修行をしていたことくらいだった。
私が認識する限り、ブラジル修行の先駆者は以下の4人の先輩方だ。人類で初めて牡蠣や毒キノコを食べて生き延びたりした人達に匹敵する冒険者だと思っている。
アリアンシ・サンパウロで修行していた和道さん。
ノヴァ・ウニオンで修行していた阿部修さん。
グレイシーバッハで修行していた滝川直央さん。
マチアス柔術・サンパウロで修行されていた馬場弘樹さん。
馬場先生の存在は後々に知ったので、当時個人的な親交を持ち得なかった。それ以外のお三方は、渡伯前は親身になって色々なことを教えて下さった。
最初にブラジルへ行った年は、中井祐樹会長に色々な道場へ連れ行って頂いた。グレイシーバッハ、グレイシーウマイタ、ノヴァ・ウニオン、アリアンシ、デラヒーバ、ブラジリアントップチーム、確かその五ヶ所で出稽古をさせてもらった。
その中で、最終的な自分の修行地としてアリアンシを選択したのは、簡単に言うと、私の身の丈に合っていると感じたからだ。それに尽きる。次回以降はそこに至るまでの経緯を語ってみたい。